第四回 日曜大工が好きなフランス人

ページをめくると度々フランスを思い出すような挿絵に出くわします。

フランスが好きな人なら知っているであろう、“BonneMaman”のパッケージを思い出すような赤と白のチェック模様のようなジャムのふた。

ボンヌママン
ボンヌママン日本販売ページより

 

最近は日本の都会の方のスーパーなんかでもよく見かけるようになりましたね。赤と白のチェック、他にもフランスチーズの包みに使われていたりと、フランスでよく目にする柄です。

 

それから

朝ごはんの後、何をするの?と聞くサーシャに

棚を作ろうと思ってるんだ、と答えてご機嫌に日曜大工を始めたサーシャのお父さん。

フランス人は日曜大工をする人が多いのです!

自分の家やアパートを自分好みにどんどん改造していく人をよく見かけます。

日本でも流行り出しているDIYのようなものですが、フランスではもっと大掛かりで本格的に日曜大工を行います。フランス語で“bricolage”(ブリコラージュ)と言い、フランス版コーナンのホームセンターCastorama(カストラマ)というお店もフランスにいた頃はよく見かけました。

大型店に行くと本当に色々な物が売っていて飽きません。フランス人は古いものを大切にする国民なので、

日曜大工が文化として根付いています。

例えばパリの建物も昔からずっとあるものが多く、水が出なくなるなど、色々と修理が必要なことが多くあり、

それを自分で直すところから始まったのではないかと言われています。

その内自分好みに変えていく楽しさを知り、ブリコラージュが趣味という人が増えたのでしょうね。

クマのお父さんもまさしくフランス人そのものですね!

 

それからこれは私が個人的に思い出すだけなのですが、サーシャが絵を描いているシーン。

私が小さい頃に描いていた絵と似ているなぁと思いました。

家の絵を描くときはだいたいみんなあんな風に描くでしょうか?

四角いお家に三角屋根がのっていて、「田」のような窓。 でも日本人の子供は煙突も描くでしょうか?

煙突まで描かれた絵は少ないような気がします。なぜなら日本の家には煙突が無いからです。

私は1歳からずっと幼少期をフランスで過ごしていたので、やっぱり煙突を描いていました。

フランスはアパルトマンにもたくさん煙突がついています。

暖炉があるからなのですが、その煙突が何本もニョキニョキ空に伸びている光景を見ると

パリっぽいなと私は感じます。

国によって子供の絵の描き方は違います。

まだ他にもフランス人の子供と日本人の子供の絵の描き方の違いがあるのですが、

それはまたそんな絵が出てくる絵本のときのお楽しみに取っておきたいと思います。

 

絵をじっくり観察するだけでも、その国独特の特徴があったりして、そこからその国のことを知れたりするので絵本って面白いですよね!

(つづく)

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くまのサーシャは なくしやさん

文/クレール・マジュレル

絵/ローラン・リエナール

訳/末松氷海子

出版社/童話館出版

刊行年/2006年(フランス・1994年)

価格/1300円(税抜)

当店取り扱い/入荷待ち

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著者プロフィール

福本舞衣子

家族とともに1歳でフランスに渡り、計約10年間、幼少期と10代をパリで過ごす。高校時代は、地元フランスの進学校のL文系へ進み、

フランス文学や詩について学ぶ。日本の大学でもフランス語を専攻。現在は日本在住。

著書に『星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉』がある。

星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉

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