サーシャは自らすすんでお片づけをしたので、とても楽しそうでした。
お父さんやお母さんの背中を見て、アイデアを閃かせながらどんどん片付けていき、
最後には読者も感心するほど綺麗に片付けちゃうのです!
それを見たお父さんとお母さんに褒められて、サーシャも嬉しそうです。
それ以上に嬉しい気持ちなのは両親の方ではないでしょうか?
親にとって一番嬉しい贈り物は子供の出来ることが増えることなのではないかと思います。
母の日・父の日のプレゼントに迷ったら、最近出来るようになったことや、
新しいやりがいを見つけた話をするだけでもちょっと喜んでくれるはずです。
それは大人になってからでも同じだと思います。
「フランス流「すぐ叱らない」「すぐ手助けしない」子育て」の章でも書きましたが、
サーシャのお母さんはすぐに叱ったりせずに、余裕のある子育てをしているなぁと思いました。
私が母になれる日がいつか来たら、ぜひ見習いたいものです。
きっと本当の子育てはなかなかハードで余裕をなくすこともあるんだろうなと思うので、
その時にはまたこの『サーシャはなくしやさん』を読んで、私もなくしていたものを再び見つけたいと思います。
(おわり)
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くまのサーシャは なくしやさん
文/クレール・マジュレル
絵/ローラン・リエナール
訳/末松氷海子
出版社/童話館出版
刊行年/2006年(フランス・1994年)
価格/1300円(税抜)
当店取り扱い/入荷待ち
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著者プロフィール
福本舞衣子
家族とともに1歳でフランスに渡り、計約10年間、幼少期と10代をパリで過ごす。高校時代は、地元フランスの進学校のL文系へ進み、
フランス文学や詩について学ぶ。日本の大学でもフランス語を専攻。現在は日本在住。
著書に『星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉』がある。