第一回 作者のイワン・ポモーが育った温泉の街、ヴィシー

『あるばん あるねこ…』は

1994年に出版されたイワン・ポモー (Yvan Pommaux)作の絵本です。

 

 

作者イワン・ポモーは1946年にフランスのヴィシーに生まれました。

オーヴェルニュ地域圏のアリエ県にある小さな街、ヴィシー(Vichy)はフランスの中央部に位置し、

フランス第二の都市リヨンからの方がパリよりも近く、パリからだと約4時間ほどで行くことができます。

1940年から約4年間、フランスの首都だったことがある歴史的な街です。

 

ヴィシーは温泉の街でもあります。

温泉保養地として有名で、「水の都の女王」とも呼ばれています。

 

 

日本人が想像する“温泉”とは少し異なり、浸かるというよりは飲むことが多いです。

医療目的で温泉地に行くことが多く、フランスの温泉治療には条件を満たせば医療保険も適用されます。

飲泉の他にうがいや温泉シャワーによるマッサージなどの利用法があります。

最近は美容や健康目的で温泉地に行くことも増えてきているようです。

あのミネラルウォーターで有名なボルビック(Volvic)の街が近くにあるので、

水が美味しいと聞きます。(温泉水はどうか分かりませんが…)

 

 

温泉の恵みを受けたヴィシーで育ったイワン・ポモーは小さい頃から絵を描くのが大好きだったそうで、

なるべくして絵に携わる人生になったような人なんじゃないかと思います。

世界的に有名な日本画家の葛飾 北斎や、フランス画家のジャン・フーケなどの絵が好きだったとのことです。

 

『あるばん あるねこ…』の他にも猫シリーズのものをいくつか描いています。

絵本の他に、フランス版コミックも描いています。彼がこれまでに携わった本はなんと100冊以上もあるのです!

 

妻もカラーリストだったので一緒に絵を仕上げたり、バラバラに活動したり、

飽きてきたらお互いに交換したりと若い頃に出会ってから長く仲良くアートの道を歩んできました。

彼らは2人の娘にも恵まれています。両親の描いた作品を読めるなんて素敵だろうなと思います。

 

(つづく)


文・絵/イワン・ポモー

訳/山下明生

出版社/フレーベル館

刊行年/1996年(フランス・1994年)

当店取り扱い/入荷待ち

 


著者プロフィール

福本舞衣子

家族とともに1歳でフランスに渡り、計約10年間、幼少期と10代をパリで過ごす。高校時代は、地元フランスの進学校のL文系へ進み、

フランス文学や詩について学ぶ。日本の大学でもフランス語を専攻。現在は日本在住。

著書に『星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉』がある。

星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉

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