このババールの物語は映画やアニメにもなっています。
アニメの方も観ていたので、オープニングを聞くだけで私は口角が上がってしまいます。
絵本よりも細かく描写があるので、物語により入りやすくなっていると思います。
アニメオリジナルのお話もありますので、ババールのファンになった方にはこちらもおすすめです。
アニメを観た後にもう一度絵本の方を読むとまた新しい感想が浮かぶかもしれません。
最初のシリーズのアニメは大人になったババールが自分の子供たちに自分の過去の話をするというスタイルになっています。
そこから学ぶことや、感じることが多く、何回観ても飽きません。
物心がついてから観ると、家族や仲間の温かさや、“困難な状況でも前向きに立ち向かう” という勇気をもらえる作品です。
ゾウの他にも動物たちが出てくるので、子供たちを飽きさせず、
ババールの子供たちと一緒に物語の中で遊んだり、人生勉強をしたりしている気持ちになります。
最近になって再び観てみると、大人になったからこそ響くところがあったり、なんだか昨今の国際政治外交のことも考えさせられました。
お気に入りの回は、ババールが忙しく追われる毎日に疲れて王様をやめたいと軽く口にしてしまった願い事が叶ってしまい、
大変なことになる『おうさまラタックス?』です。
やり直しのきかないこの願い事の結末はどうなるのかと大人になった今も最後まで目が離せず、最後には涙が。
続編にあたる新しいシリーズとして、ババールの孫、Badou(バドゥ)が主役の3D風のデザインのCGアニメも制作されています。
私としてはやはり絵本の絵にまだ近いぬくもりが残るデザインの初代シリーズが好きです。
著者プロフィール
福本舞衣子
家族とともに1歳でフランスに渡り、計約10年間、幼少期と10代をパリで過ごす。高校時代は、地元フランスの進学校のL文系へ進み、
フランス文学や詩について学ぶ。日本の大学でもフランス語を専攻。現在は日本在住。
著書に『星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉』がある。