「お能」を観てきました。6/365

■お能初体験

本日、4歳の娘と「若者能」というものを見てきました。
「若者能」とは「お能は二十歳になる前から」というキャッチコピーで
若い人でもお能を楽しめるよう、年に一回ほど開催されているイベントです。

 

若者能
http://wakamononoh.jp/

私が若者能の存在を知ったのは年末。
幼児の参加も可能、ということで娘といけるかも!と思い参加を決めました。

学生と乳幼児は1,000円、
大人は当日4,500円ですが、私は早割を利用して3,599円で購入しました。

この「99円」には
未成年を含む学生の鑑賞料を一律1,000円にするためのサポート金額なのです。
こんなふうにさりげなく若者たちに「寄付」している気持ちになるのも、
個人的にはいいな、と思うところでした。

 

子供には、ちょうど能を見に行く前にダイソーのラッピングコーナーを見ていたら
般若とおたふくのお面があったので

「今日はこれを見に行くのよ」

と端的に説明をしました。娘はお面をじっと見て

「これ? これKちゃんこわいよ!」と言っていましたが

魔法のステッキに見えるラッピング用品を購入し、
魔女の力を得た娘は納得して、能に行くことを許してくれました。

 

 

会場に着いたら、お誘いくださった方、Tさんが席を取ってくださっていたので
迷わずに座ることができました。
(Tさんありがとうございます!)

Tさんから、白い冊子をいただきました。
そこに書かれていたのは、不思議な文字。ここに書かれているのは能の台詞。
能では「謡曲」といって、こういった冊子が配られるのだそうです。

この冊子があったおかげで、彼らが何を謡っているのか、今はどこの場面なのかを
知ることができ、大変助かりました!

初めて見るときは、謡曲もあったほうがより楽しめるのではないかと思います。

 

 

4歳の娘はどんな反応をするのかなぁ、とドキドキでしたが
まず、鼓と笛の音に驚いて、耳をふさいでしまいましたが、すぐに慣れてくれました。

途中、トイレ休憩や、周囲のお客さんの様子を見まわすなど、
落ち着かない様子で、「こんな状態で見せ続けていいのだろうか…」と思っていたのですが

皆さん休憩時間に着物姿の娘に

「かわいいね」とか「おりこうさんね」と声をかけてくれたこともあり

娘もご機嫌で、私も安心して最後まで鑑賞することができました。

 

演目は

舞囃子は「高砂」
狂言は「清水」
能は「羽衣」

というお話しでした。

 

(娘の様子を見ながらなのでうろ覚えですが)
舞囃子の「高砂」ではシンプルな紋袴で舞の様子をしっかりと目に焼き付け
狂言の「清水」では鬼のお面を外したりつけたりするところでは娘も一緒に楽しんでくれました。
能の「羽衣」では、「お姫様」である天女の舞いをうっとりと眺めていました。

娘がどこまで演目内容を理解したのかはわかりませんが、

本当の笛・小鼓・大鼓・太鼓の音を聴いたこと
舞台という、その場限りの演目を観るということ

などを娘と一緒に体験できたことは
私自身嬉しいことでしたし、娘の心にも、残ってくれると嬉しいなぁ、
なんて思いました。

すべての演目が終わった後、

能楽師のシテ方である塩津圭介さんと狂言師(能楽師)の野村太一郎さんの対談があり

そのなかで「能と読書は似ているな」と感じたことがあるので、ここでも紹介します。

以下、お2人の対談を、私の解釈を通して紹介します。

■「お能」は読書と似ている!

お2人の対談で「能と狂言の違いはなにか」というところで
「能は観客の想像に委ねるところが多い」という言葉がありました。

狂言の場合、コメディ要素も強いため動作や状況を台詞や行動で伝えやすくしてるのに対し
能は「小面」といって、お面をつけて演じることや、
足も一歩ずつ歩む動作をするため、お面が何を語るかなどは観客の心を映すことにもなるのだそうです。

その説明を聞いた時
「読書と同じだな」と思いました。

読書も、書かれた文章を読み、読み手によって受け取り方が変わります。
同じ本を読んでも単純に面白い!と受け取る人もいれば、「深い」と読む人もいる。
その時はわからなかったけれど、数年後、あるいは10年後にわかったりする。
能の場合、観客それぞれの心が映し出されたり、感じたりするため、友達と一緒に見に行っても
出てくる感想が違うことが多く、それゆえに「能は難しい」と思われるのだとか。

でも、それこそが能の楽しみ方なのだと。
その違いを理解しあい、共有することを楽しめば、きっと能を楽しんでいただけるのではないか。

とおっしゃっていたように受け取りました。

 

…途中から「読書と一緒だ!」と思ってしまったので
あくまでも「読書と同じフィルター」がかかってしまったゆえの、私の受け取り方ですが(苦笑)

読書が好きな方、ぜひ一度能を見に行ってみてはいかがですか。
読書と同じ、自由に想像できる楽しみを発見できるかもしれません。
お声掛けくださったTさん、ありがとうございました!
お能の楽しみを娘と知ることができ、とても有意義な年始めとなりました!

(当日に書いているため、後日いろいろと修正が入るかもしれません)

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「お能」を観てきました。6/365” への2件のフィードバック

  1. 本日はありがとうございました。楽しんで頂けたようで何よりです!
    お尋ねのあった中国における児童文学、以下のような記事がありました。ご参考まで。
    http://www.recordchina.co.jp/b132712-s0-c30.html
    http://www.recordchina.co.jp/b112145-s0-c30.html
    なお、「いやいやえん」の中国語版はこちらです。装丁も全く同じで、中国語関係者的にはとても「萌え」ます。
    https://book.douban.com/subject/1197455/

    1. 徳久さん
      とても詳しい情報、ありがとうございます!
      いつか、じっくり聞かせてください。とても楽しみにしています。

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