第六回 お気に入りの本について語る

まーちゃん:小張さんは、どんな本に魅力を感じたりしますか?

 小張:絵本だったら、端的に言うと絵本の世界に入り込んで、その世界で自由に遊び回れるような
絵本ですね。ただ言葉がきれいとか芸術的とかよりも、気づけば夢中になっていた、と入りこめると面白いな、

と思いますね。色々あっていいとはもちろん思います。

まーちゃん:昔から本とか読んでいたんですか?

小張:元々好きでした。まーちゃんくらいの時期に夢中になったのは宗田理さんの
『僕らの七日間戦争』など、『僕ら』シリーズですね。もう、大好きで、シリーズすべて読むくらい。

悪い大人をやっつける話で、学校でイヤなこととか先生に腹を立てても、
あれを読むと気持ちがスカッとして落ち着くというか。
ひとつの読書体験のキーポイントだったかな。

まーちゃん:好きな絵本作家さんは?

小張:たくさんいるけれど、谷内こうたさんの世界観は好きですね。色んな国の街を描いた
画集のようなものが特に好きです。

今は新作が出ないんですけど、絵本の中に入りこむような感覚があって。
ぜひ読んでほしいと思います。

最近の作家さんだと松田奈那子さんが好きですね。『わたしはねこ』とか。
荒井良二さんも好きだし。とりごえまりさんや、こみねゆらさんも好きですね。

 

松田奈那子さんの絵本『わたしは ねこ』(リトルモア/1500円)

 

まーちゃん:谷内こうたさんは初めて知りました。こどもの頃から好きだったんですか?

小張:大学ですかね。古本屋さんかどこかで見て素敵だなと思って買ったんですけど。

シロクマ:ひるねこBOOKSさんの取り扱っている絵本に、まーちゃんが紹介していた
『イエペはぼうしがだいすき』という絵本がありますね。撮影が北欧ですか?

小張:イエペくんがデンマークの子なんです。僕もこの本すごく好きで。
北欧関連の書棚もありますよ。

まーちゃん:イエペくん、私も好きなんです。

小張:僕はムーミンをきっかけに北欧が好きになったんですけど、お店をはじめるとだんだんと
イベントや展示も北欧関連が多くなってきて。ノルウェー大使館に呼んでいただいたり、

だんだんと繋がりが生まれてきていますね。

シロクマ:ムーミンが好きになったきっかけはなんでしょうか。

小張:妻が原作のファンで、妻から借りて読んだら面白くて。そこからがきっかけです。
かわいらしい丸っこいアニメのイメージしかなかったけど、実際に原作を読むと大人向けと言うか
哲学的というか、深い世界だったんだなって。

まーちゃんママ:『さびしがりやのクニット』とかもすごいいいですよね。

小張:原作もいいし、日本ではムーミン絵本は少ないけど、現地はたくさんあるんだ、と知って
トーベヤンソンってどんな人だろう、フィンランドってどんな国だろうって思って、
北欧に傾倒していって。

シロクマ:ほかにどんな北欧作品が魅力だと感じますか?

張:北欧神話ってあるんですけど、めちゃめちゃおもしろいんですよ。岩波で出ている、
少年文庫だけでも面白くて。ムーミンの訳もされている山室静さんが訳しています。
聖書の物語とはまた違って、ヨーロッパ全体にも影響を与えているんだろうなと感じます。

北欧というとデザイン性が注目されがちだけど、もっと文化的なことも知ってほしいなと。
本を通じて北欧の暮らしを紹介したいですね。専門家ではないけれども、
学ぶところはたくさんあるし。そこでひとつ北欧をテーマにしているのもある。

まーちゃん:北欧神話読んだことないです。私、神話とか大好きなんです。
ギリシャ神話とか、ファンタジーが好きなのです。オリンポスの本とか好きです。

小張:岩波少年文庫もおすすめします。物語として読めるのは岩波さん。
神話を楽しむエッセンスが集約されているので、わかりやすい。初心者におすすめです。

まーちゃんママ:ちっちゃいときに、ヘラクレスも大好きで、大きなステッカーを貼っていました。
前から好きだったんだよね、あの世界観が。

まーちゃん:うん、好きですね。

小張:ぜひ北欧神話の世界も楽しんでみてください。

(おしまい)

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プロフィール

ひるねこBOOKS(小張隆)

童心社の営業として8年間勤めた後「ひるねこBOOKS」を根津にオープン。絵本や一般書のほか、北欧をテーマにした雑貨や書籍も取り扱っている。地域と連携したイベントや展示なども行っており、地域密着型の本屋さんとして町の人に愛されている本屋さん。

ひるねこBOOKS HP

https://www.hirunekobooks.com/

 

まーちゃん・まーちゃんママ

中学一年生の頃から「朝絵本を読むと心が落ち着く」という理由から、ライフワークのひとつとしてInstagramにて絵本の紹介を行っている親子。フォロワー数は2017年11月時点で2700人を超え、育児や読み聞かせに悩む親御さんから支持を集めている。

Instagram @nikilove48

 

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