第七回 朝に絵本を読む理由

―まーちゃんは、いつも朝に絵本を紹介していますよね。

忙しい朝に絵本を紹介するこだわりはなんでしょう。

まーちゃん:いろいろあるんですけど、朝に一度絵本の言葉や絵にリセットしてもらって学校に行くと

全然気持ちが違うんです。前向きな気持ちでいられるというか。

ママ:思春期のお子さんを持つ方のお話しなんかを聞くと、親子で会話をしないという話を聞いたりすることがあるんですが、

そんなとき、語彙力が出てくると思っているんですね。

幼い頃だけじゃなく、思春期だからこそ伝わる言葉を使って親が寄り添えば、

コミュニケーションができるのかなって思うけれど、なかなかお互い言葉が気持ちに追いつかないこともあると思うんです。

そのときに、絵本が力になれるんじゃないかなって。

 

―私も、思春期の頃はものすごい反抗期でした。そのときに直接会話するのではなく、

絵本などなにかしらを介した会話があれば、違ったのかもしれません。

まーちゃん:みんな、中学生になって部活とか勉強とか、小学生と違うことが増えていくなかで余裕がなくて

トゲトゲしちゃうことがあって。

私自身も戸惑うことがある中で、やっぱり「読書」という習慣は自分を助けてくれる存在だなと感じるんです。

ママ:今回インタビューを受けるときに「今でも困難にぶつかることはありますか」という質問を

いただいていたんですけど、いつも何かしらにぶつかってるんです。

赤ちゃんの頃、幼少期、今…子供の成長とともに、悩みの内容も変わってきて尽きることがありません。

でも、そんなとき絵本が助けてくれるんです。「これでいいんだよね」とか「そんなに考えてもしょうがないよね」とか。

 

―絵本は、どんなときでもお母さまを優しく迎えてくれる良き相談相手なのですね。

ママ:フォロワーさんから子育てなどについて相談をいただくこともあるんですけど、

私自身が「こうですよ」と言うより、「絵本を読んでみてください」って伝えたい。

たとえば、子供が心細い思いをしている時、すぐに明確な答えを用意できなくても『どれがぼくかわかる?』

を読むだけでも違うと思うんですよね。

これをお子さんの名前にたとえて何回も読んでみて。馬になってもなんになってもすぐにわかるんだよって伝えて。

すぐには理解できなくても、種は必ず育つから、きっと芽が出ると思うんです。

 

『どれがぼくか わかる?』(まーちゃんのInstagramより。書籍詳細は下記)

 

―とても心強い言葉ですね。

ママ:これは、絵本の最大の長所でもあると思うんですけど、絵本って短い時間で読めるのに

、とてもストレートにシンプルな答えを届けてくれる。流行語や難しい漢字もなく、

小さな子からおじいちゃんおばあちゃんまで、世代を問わずまっすぐにメッセージを伝えてくれるものですよね。

だからこそ、子供が成長するにつれて変化する悩みでも、絵本は変わらず答えてくれるし、

もう本当に絵本とはなにか、というと「最高の育児書です」と言いたいくらい。

ぜひ親子で、できることなら朝に読んでみてもらいたいです。

まーちゃん:でも、やっぱり小さい頃に読んでいたからこそ今読む意味があるんだろうな、とも思うんです。

当時の思い出を振り返りながら読むということも、精神安定剤のような役割を持ってくれているような…

 

―今は、どんなふうにお2人で読んでいるんですか?

まーちゃん:母が声を出して読んでいるのを、私が台所で聞いていることもあれば

そばにいって一緒に絵本を見ることもあります。

で、「ここいいよね」とか「泣けるよね」なんて絵本について話したり。時々泣いちゃうこともあります。

ママ:小さいときは全然、ぽかんとして「ママなんで泣いてるの?」って言っていたところを

一緒に泣いたりするんです。視点が近くなってきたのかな。

 

―当時のことを、まーちゃん自身は覚えているんですか?

まーちゃん:泣いてしまったところは、当時は全く覚えていないページなんです。

いつも母が泣いちゃって、読めなくなるので、私は知らなかったんだと思います。

だから新鮮な気持ちで読むんですけど、母と同じように泣いてしまいます。

 

―それも、当時の思い出があるからこそ意外性があったり、成長を感じられるエピソードですね。

ママ:今、こうしてまーちゃんと絵本について語り合えるというのは本当に素晴らしいなって思うんですよね。

当時は読んで聞かせていたのが、今は絵本について語り合える。絵本の世界は奥深いからこそ、

子供が成長しても変わらず語り合えるんじゃないかなって思います。

子供のためじゃなく、大人のための絵本でもあると思うんですよね。

 

―読み聞かせや育児に悩むお父さんお母さん、フォロワーさんにメッセージをお願いします!

ママ:悩んだり、苦しんだりした時は、絵本に頼ってみてください。絵本は必ず助けてくれます!

まーちゃん:私達にとって、絵本はいてあたりまえの存在、もう1人の大切な「家族」です。

これからも絵本の紹介で皆さんと繋がりたいと思います。

 

(おわり)

 

登場した絵本

『どれがぼくか わかる?』

作・絵/カーラ・ラスキン

訳/よだしずか

出版社/偕成社

出版年/1970年 価格/1,260円

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です