【第4回】フランスの給食

フランスの給食というとどんなものをイメージしますか?
もしかしてフランス料理みたいにコースになっていたりして?

その通り!
前菜、メイン、パン(バゲット)、チーズ、デザートの構成になっていました。
レストランのように1つずつ運ばれてくるわけではなく、おぼんにそれらを順番に取っていくというスタイルでした。

 

そう考えると日本の給食もごはん、おかず、汁物、デザートなどバランス的にはそう違わない気もしますね。違いはもちろんその中身。

仔羊やパテ・ド・カンパーニュ、ラタトゥイユ、クスクス、本格的なチーズの数々などまさにフレンチな内容。

 

(フランスの食堂ランチ/Instagram@fuku.fukuu)

 

 

『リサとガスパールのしんがっき(La rentrée de Gaspard et Lisa)』で出てきたようなフライドポテトも付け合わせで出てくることがあります。

これが結構な量だったりします。リサとガスパールのお皿にのっているフライドポテトも量が多そうですね。

 

給食は学校で食べる子といったん家に帰る子に別れます。私も母が迎えに来てくれて家でご飯を食べることもありました。(ここでも送り迎えは必須!)

 

他に料理以外の違うポイントですが、フランスでは給食当番がありません。

まず、給食の時は教室から食堂(cantine)に移動します。そこで食堂のマダムたちがお皿によそってくれるおかずを順番に並んでトレーにのせていきます。

 

掃除当番などもフランスの学校ではありません。清掃員の方たちがやってくれ、学生が自分たちでやることはありません。

欧米などではそのような学校がほとんどのようです。日本の小学校では自分たちでするのが当たり前ですよね。それを通していろいろなことを知り、生活力もつくので良いことだなと思います。

“自分たちが使う教室は自分たちで綺麗に!”というスローガンをよく見かけたりしますが、大切なことだなと思います。

自分で掃除するという習慣のおかげで日本は海外より清潔感が保たれている国なのではないかと思うのです。これは日本の誇れるポイントだと思います。

 

給食にしてもそうですね。自分が配膳することによって均等に入れなければという責任感や、相手を思いやる気持ちが芽生えます。

小さい頃からこの気持ちを知る日本人だからこそおもてなし精神が人一倍強く、接客業などにしてもお客様を敬う文化なのかなと思いました。

 

ここで1つフランスの幼稚園での給食でよく覚えているエピソードを書きたいと思います。

食堂で丸テーブルに何人かのクラスメイトたちで座って給食を食べていました。私は途中で寝落ちすることも多くてよくベットに運ばれたりもしていました。

そんな眠気も吹き飛んだエピソードは、ある日の給食で、みんなの嫌いな野菜がお皿にのっていました。

みんな「これまずい!」と言って「テーブルの下に捨てちゃおうぜ!」と一斉にテーブルの下にポイポイし出しました。

私も嫌いな野菜だったので少しは誘惑にかられそうになりましたが踏みとどまったのを覚えています。

やはり自分で掃除をしないからそこに捨てちゃおうという気持ちになるのかなと思いました。

 

でも日本の給食で辛かったことがあります。食べ終わるまで休憩時間も延々と給食を食べさせられることです!

フランスの食事時間はのんびり楽しむという文化に親しんでいた私はなかなか食べ終わることが出来ず、牛乳とおかずという組み合わせや日本の味にもなかなか慣れなくて、

食事を楽しむということもあまりないこの時間が苦痛でした。1人、教室の奥に下げられた机に座ってずーっと給食のお皿と向きあっていた記憶があります。

食事の時間はたっぷり取って、楽しもうとするスタイルはフランスの方が好きでした。

 

(リサとガスパールタウンのカフェ CAFE BRIOCHE)

 

(つづく)


著者プロフィール

福本舞衣子

家族とともに1歳でフランスに渡り、計約10年間、幼少期と10代をパリで過ごす。高校時代は、地元フランスの進学校のL文系へ進み、

フランス文学や詩について学ぶ。日本の大学でもフランス語を専攻。現在は日本在住。

著書に『星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉』がある。

星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉

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