主人公は7歳。日本だと小学生1~2年生くらいです。
3人姉妹のまんなかである彼女は、
おしゃれなワンピースにふかふかの絨毯、かっこいいお父さん、
というパーフェクトな親友一家に憧れを抱きます。
一方、自分の父親といえばだれ一人として髭を生やす人がいないなか、
たったひとり髭を生やしているし、
母親も、かわいい服を買わないでへんな布でワンピースを作り、
自分たちに着せています。
うちはふつうじゃない。お腹が痛くなるほど「うちの家はヘン」と悩む主人公は、病院で看てもらうときも、ついうそをついてしまいます。
ところが、ある年の夏、憧れていた親友一家が離婚したことを知ります。
親友になんて声を掛ける?
どうして話してくれなかったんだろう。
今は、憧れなくなったけれど、それって悪いこと?
少しずつ、自分の家族と向き合い始める主人公。
ある日、主人公が以前からほしがっていた自転車が届きます。
その自転車は、やっぱり、ヘン。
けれど、もうヘンであることに悩みません。
その自転車は、3姉妹が一度に乗れる自転車でした。
3人で乗った自転車は、どこまでも走ります。
『うちってやっぱりなんかへん?』は、作者の実体験をもとにしたお話です。
だれしも、ひそかに憧れている人がいたり、知り合いの家庭に変化があると驚いたりすることはあると思いますが、
この絵本では、「正しさ」を描かず、ただただ素直に、戸惑いを表現しています。
その戸惑いから、自分の家族に目を向けるようになる。
読む年齢によって、感じ方が変わる絵本です。
まんなかっ子が主役、という意味でもめずらしい絵本です。