学陽書房/1,600円(税・配送手数料別)
―色鮮やかで写真がすごく綺麗なんですよね。眺めるだけで楽しい。
ほうれんそうととうもろこしのコントラストも、すごく綺麗。
本を作ろうとなったに、ただ食べ物として撮るのではなく、生き物としての表情を捉えたい、見てほしい、と思っていて。
光も、照明ではなく日常の光や影をを入れたくて。
だから室内で撮ったものはほとんどなくて、ほとんど外の、自然の光のもと撮影しています。
―石の上とか、砂浜とか、庭とか、自然の一部分といった写真が多いですね。
編集してくださるデザイナ―さんとカメラマンの方は、料理本の経験のない方が担当してくださいました。
料理はこうして撮るもの、というのではなく、ロックミュージシャンとか動く人を捉えているカメラマンに撮影して頂いて。
ダイナミックさというと、この子たちが動くわけじゃないので難しいですけど
たとえば完成しきったものではない状態のものを撮影するなど、工夫してみました。
―この料理の写真は、夫婦が寄り添っているように見えますよね。
つがいっぽいですよね。家族みたいに。嬉しいです、そんな見方をしていただけて。
―カテゴリの一つに、英語でシェアって書いているんですけど、
日本語では「家族」という言葉をあてていて。カテゴリも「smile」「love」など、独特ですよね。
ランダムに見えますよね。季節や野菜の色で作っていなくて。
―文学的な感じが。
カテゴリは、はじめ季節にするか、野菜の色にするか、と迷ったんですけど、
私達が一番、食で何を伝えたいか、と振り返ったときにとこのカテゴリのテーマがあったんですね。
編集者の方に相談したら「難しいかもしれないけどやってみましょう」と言ってくださって。本当に感謝しています。
―キャベツとオレガノのスープ、とかよく作るんですよ。
ありがとうございます
―このレシピのなかに「キャベツが汗をかく」っていう表現があるんですね。
この「汗をかく」というのが人間的で。子供と一緒に作るときはかえって伝わりやすいんじゃないかなと。
汗をかく、という表現は今でもスタッフに「汗かき始めたらこうして」と説明しているんです。
―生き物だよ、と伝わる気がしていて、個人的に素敵だな、と思うんですよね。
栄養とか健康効果を謳うのではなく、野菜の個性を尊重して美味しく活かす方法を提案している、というか。
栄養や健康効果を伝えることもひとつの方法ですけど、楽しいとか嬉しいのバランスもとても大切ですよね。
TOSCAでは目で楽しむ料理が提供されている(TOSCA Facebookページより)
―料理をするときにそういう表現があれば。
小さい子ってモノを人間のように扱うことは多いですし。
カテゴリについて、特にレシピとの関連性はないんですか?
あるにはあるんですが、基本的にはイメージです(笑)イメージと言っても、この素材は土との関係が強から大地にしよう、とか
温かいスープでやさしい気持ちになってほしい、とか、そこにメッセージも込めています。
見た目と雰囲気と、体にある効果というのは、大体筋を通して掲載しています。
―本には37レシピ掲載されていますが、撮影は外で、作るのは中でされていて。制作は大変ではなかったですか?
家庭用のキッチンでも作れるものを掲載しているので、海が近くにある知人の家を借りて、数日で撮影しました。
―登場しているレシピは今までにもイベントや代官山のお店でされていたものですか?
基本的に、レシピで料理をしないんですよ。レストランをやるうえでスタッフが作れるように、と作ることはありますが、
『THE SOUP』に載っているレシピはすべて掲載に合わせて考えたものです。
―この本は学陽書房さんから出ていますが、企画の提案はご自身でされたのですか?
いつか本を出すことにチャレンジしたいな、と思っていたら、学陽書房さんを紹介いただいたんです。
―素敵なご縁に恵まれたのですね。
代官山でお店をやっていた頃に、「明朱花のご飯は元気になるよ」と言ってくださった方も制作に加わってくださって。
編集者の方やカメラマンさん、デザイナーさんなど、素敵な方に恵まれましたね。
―こちら、お店を出したあとに本を出されたのですか?
2012年発売で、2011年にお店を、という流れになっているんですが、実は制作は2010年から2011年に行われたんです。
ちょうど東日本大震災で、紙がなくて。
―では実際は本を作り終えたあとにお店を開かれたのですね。
はい。なのでお店で作っているものを出しているわけではないので、
ここに載っているレシピが必ずしも店内で食べられるわけではないんです。
―お店のメニューにはスープ以外の料理も月替わりでたくさん出るので、本と併せて楽しむことができますね。
(つづく)
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著者プロフィール
橋本明朱花
マクロビオティックを実践している両親のもとで育ち、家では自然に囲まれながら家族と自家栽培を
行っていた。美術を学んだ後、国際協力関係の仕事に就いたことをきっかけに「食」を通した
ソーシャルツールに興味をもち、東京で飲食店を開店。東日本大震災を機に京都へ居を移し
ベジカフェ「TOSCA」をオープン。国内外からお客さんが訪れる。
橋本朋果
姉と同じく、マクロビオティックを実践している両親のもとで育ち、家では自然に囲まれながら家族と自家栽培を
行っていた。TOSCAではデザインを担当し、料理や内装の装飾などに携わる。現在はTOSCAを離れ、
食とデザインについての活動を行っている。
TOSCA
<店舗情報>
〒606-8224
京都府京都市左京区北白川追分町67-7 中村ビル1F
火~日・祝前日・祝日
ランチ 11:30~15:00(L.O.14:30)
ディナー 18:00~22:00(L.O.21:00、ドリンクL.O.21:30)
電話:075-721-7779
※イベント出店や貸し切りなどの際は営業時間に変更が生じる場合があります。TOSCAさんに行かれる際は、事前に電話などで確認をお願いいたします。
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