ドイツに住む、10歳の女の子、ルイーゼ。
ちょっと体調の悪いお母さんが、いつものように病院に行っていただけ。
そう思っていたのに、どうも様子が違う。
ただ元気になる母を待っていただけだったのが
少しずつ「予感」を抱き、やがて母にある「お願い」を告げます…
母をがんで失った少女の心の葛藤が、
子供と生きたいと願う母親の叫びが、胸を打つ物語です。
原題は『Ein Stern namens Mama』
直訳すると「ママという名の星」。「星になったママ」といったところでしょうか。
日本では『ルイーゼの星』という名で刊行されています。
本には、日本の物語ではなかなか登場しないゲイの男性が
ママの大親友であり、主人公の一番の理解者として登場します。
また、ハンブルクやハーツ山地(ハルツ山地)など、
ドイツならではの地名も登場します。
この本の故郷であるドイツでは、電子書籍版など、数種類のデザインで
販売されていることからも人気の高さがうかがえます。
訳者のオルセン昌子さんも、身内をガンで亡くしています。
子供だけでなく、大人にもお薦めの一冊です。
『ルイーゼの星』
作:カーレン・スーザン フェッセル
訳:オルセン昌子
求龍堂