【第6回】フランス絵本で親子の会話が増える

『リサとガスパール』は物語の主語が「わたし」「ぼく」で書かれているのでちょっとした日記風にも感じられて面白いです。
そのおかげで読んだ子供たちがリサとガスパールを身近に感じられるというのも魅力です。

 

 

とてもやんちゃな2人(匹?)なので子育て中の親御さんの中には
自分の子供に読ませたくない内容の回もあるかもしれません。

リサとガスパールのこの行動どうなんだ?と思ったときは、
読んだあとで子供に「○○(子供の名前)ならこういうときどうする?どう思う?」と聞いて話をすることが大切だと思います。

意外と子供は悪いことは悪いとちゃんと分かっているものです。
子供の自由な想像力を伸ばしながらも、「これはガスパールひどかったねぇ」なんて言いながらものの善し悪しについて親子で会話できる絵本だと思います。

 

(リサとガスパールタウンのカフェ CAFE BRIOCHE)

 

子供が話せるようになってきたら、その絵本にどんな感想を持ったのか聞くことで、子供の考える力を伸ばすのはもちろんですが、

子供の気持ちや性格、大人が考えつかないようなことを親が知ることが出来るということが絵本の読み聞かせの楽しみだと思います。

 

フランスの絵本は日本の絵本と違ってしっかりしたオチがなかったり、めでたしめでたしで終わらないお話が多いので、その分会話が広がります。

親と一緒に自分たちで考えたお話の続きやその時間は大きくなっても自分だけの宝物として子供の心に残ります。

私自身も物語の内容について母と話した絵本や親が自作してくれたお話、自分で作ったお話のことは何十年経った今もとくに記憶に残っています。

 

 

やることがいっぱいある中での読み聞かせは大変だという方もいると思いますが、その時間は絵本が好きな子供にとっては親との楽しかった時間として永遠に残ります。

なのでたまに余裕があるときはぜひ「めでたしめでたし!」で終わってしまうお話ではなく、余韻の残るフランス絵本を選んでみてください。

 

(パリの絵本屋さんChantelivreのブックギフト/Instagram@fuku.fukuu)

 


著者プロフィール

福本舞衣子

家族とともに1歳でフランスに渡り、計約10年間、幼少期と10代をパリで過ごす。高校時代は、地元フランスの進学校のL文系へ進み、

フランス文学や詩について学ぶ。日本の大学でもフランス語を専攻。現在は日本在住。

著書に『星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉』がある。

星の王子さまが話してくれた世界一幸せになれる33の言葉

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